Mahito Kimura's Blog

アイオワ大学留学日記

2000年1月のアイオワ

Jan. 1 HAPPY NEW YEAR

晦日はNYから直送の美味しい生そばを食べ年越しとなる。
テレビでは日本を始めNYやWashington, D.C.でのミレニアムを盛大に祝う式典が放送されているが,Iowaはいたって穏やかで,静かに2000年を迎える。
直前まで世界中をにぎわしたY2K問題も,これといった大きなトラブルはなかったよう・・・
実際には2001年が21世紀の始まりだと思うが,2000年という大きな区切りの年を異国の地で迎えるというのはなんとも感慨深い・・・

Jan. 3

アメリカは日本と違って新年よりクリスマスのほうが大きなイベントなので,年末年始は31日,1日以外は休日ではないらしい?
2日が日曜日だったため,3日から通常通りの勤務態勢となる。
本日からまたResearch Seminarが始まる。
Seminar roomに行くと,Robinson教授から声をかけられ,「論文をチェックしたので,Campus Mailで送るから,それを見て書き直しなさい」とのこと。
年末に目を通してくれたらしい。本当にありがたい!!
今日のSeminarのテーマは「The Effect of Antipsychotic Medications on Cerebral Blood Flow in Schizophrenia」(Del Miller, M.D., Ph.D.)でSDA(主にRisperdar)による治療中と
薬剤をoffにしたときのCBFをHaloperidolの場合と比較した研究。

Jan. 4

今日のGrand Roundsは「Clozapine and Diabetes Mellitus」(James Amos, M.D.)で
Clozapineの治療中に多い副作用であるweight gainとDMの話。

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雪化粧した1月のMEB。

Jan. 7

今日のmeetingでRobinson教授から,1st paperの投稿雑誌を自分で決めるようにとの指示がでる。
「This is coming along well. It is on Important contribution.」とのこと。
なんとか一段落といったところだが,こちらの理解力とペースを見越したうえで論文提出の指示がでたり,わかってもらえてないようで,実はすべて見抜かれている感じで,ありがたいような怖いような・・・
一段落したところで,本日,次の研究結果(表とグラフ)を提出する。
留学してすでに半年,もう一段のペースアップが必要か!

1999年12月のアイオワ

Dec. 10

今日のmeetingで自分の論文のmethodsとresultsをRobinson教授に手渡す。
introductionとdiscussionも早急に書き上げなければならないが,なかなか進まない。今日もさらに詳しい検討の指示がでる・・・


Dec. 13

12月になり,例年だと20 V前後の気温になるらしいが,今年はなぜか40 °F前後の気温が続いており,日本の冬と変わりなく,思ったほど寒さは厳しくない。
KAPLANのAprill(英語の先生)も,「あなたは良い年に来たわね,でもきっとこれから寒くなるわよ」と・・・
今日で英語のレッスンは一時休止し,来年1月の終わりから再開することにした。

Dec. 14

毎週,Research SeminarとGrand Roundsに参加しているが,前回は「Adolescents with Schizophrenia: Characteristics and Treatment」(Charles Schultz, M.D., U of Minnesota School of Med)で,BPDなども含めて形態学的相違などを論じたもので,最後にNancy C. Andreasen教授がcommentしていた。
あの「The Broken Brain 故障した脳」の著者で,先日も有名なPsychiatry Awardを受賞されたらしいが,私はこちらに来て始めて姿を拝見した。
割りと小柄で年輩のご婦人だが,commentのときはみんな注目して聞き耳を立てていた。

今日のテーマは,「Diagnosis and Treatment of Paraphilia in Children and Adolescents」(Gary Gaffney, M.D.)で久しぶりのCase Conference。Caseの説明のあとそのお母さんを呼んで,Robinson教授がみんなの前で質疑応答をし,その後再び文献的な考察や最新の情報を提示していた。
sexual abuseやmild mental retardationをもつParaphiliaのcaseで興味深かった。


Dec. 15

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今朝起きたら外は雪。Iowaでの初雪。

 

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本格的な降雪ではなく,午後には消えてしまった。


Dec.17

Merry Christmas & Happy New Yearのため,今日のmeetingでしばらく休めるかと思ったら,急に来週までにintroductionとdiscussionを提出するように言われてしまった。
Toddにnext weekはChristmasなのでnext meeting (1/7)の間違いではないかと確認したが,Robinson教授はnext weekと言った,お前ならできると笑いながら励まされてしまった(; ;)(>_<)ヽ

 

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外は寒くても,研究室は半袖でも大丈夫なほど暖かい。

MERRY CHRISTMAS

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道路や病院の前もライトアップ。周りの家もいろいろと趣向を凝らしてのライトアップ。見て回るだけでも楽しい



Dec.22

明日からChristmas休暇になるため,本日my first draftをRobinson教授に提出する。
まだ何度も書き直さなければならないだろうが,なんとか一段落といったところ・・・
next meeting までにもう一つのテーマに取りかかりたい。

 

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今年は暖冬かもしれないなどと思っていたら,先週から10°F以下つまり氷点下の日が続いている。でもこれが本来のIowaで,まわりも雪景色でwhite Christmas。

今日は阿久津先生と渉君とIowaのChristmas名所を見て回る。

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家のまわり中ライトアップされ「すごい」の一言!

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まるで遊園地のようで,リムジンツアーで見学に来ている人達もいた・・・


Dec. 23

山田Labの先生とX'mas前のChicagoに行く。
帰りにヤオハン(Mitsuwa Marketplaceという別会社になったよう?)で,お正月用の日本食などを購入するが,途中降雪となり,ノーマルタイヤで走れるのが不思議なほどだったが,雪質と除雪車が塩と石灰をまくために,速度を落としてなんとか走行できた。でも何台かの車が道の外に滑り落ちていて・・・命からがらIowaにたどり着く。

 

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John Hanchock Centerからの眺望①

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John Hanchock Centerからの眺望②

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夜景を見たかったが,その前に帰ったため,これは絵はがきからの一枚。

 

1999年11月のアイオワ

Cycling

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Iowa Park Cycling

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Iowa Park Cycling

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Iowa Park Cycling

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Iowa park

11月に入って数日寒い日があったが,なぜか華氏60~70 °F前後といった暖かい日が続いている。
Iowaも異常気象で今年は暖冬かもしれない。このまま寒くならなければいいが・・・?
土曜日,阿久津先生(11月なのにTシャツ姿)と一緒にIowa Park など1時間あまりcyclingに出かける。

Nov. 15

Robinson教授のお母様が先週火曜日に亡くなられたとのことで,本日予定していたmeetingは中止となる。Lab.のみんなでお花を送る。
研究の方は,First Draft を書き始めているが,なかなか進まない・・・
明日からまたr-TMSが10日間続けてある。

 

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ECTと全身麻酔の機械。日本のおもちゃのような機械とは随分違う。もちろんEEGやECGも同時測定できる。

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r-TMSの機械。1回10秒を1分間隔で20回施行,それを連日10日間続ける。1台200~300万円らしい。

 

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病院内のメインロビー。とても広々している。

 

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11月のMEB。葉が落ちて寒々としている。

 

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運動不足解消のため,阿久津先生とラケットボールを始める。コート1時間4ドルで借りられる。

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大学内の運動場で,いろいろなことができる。温水プールもありとても便利・・・

 

1999年10月のアイオワ

Kent park

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紅葉がはじまったケント公園

 

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10月に入り急に朝晩の冷え込みが厳しくなってきた。 周りの人たちもコートを着込む人が多くなっている。 秋はあっという間に過ぎて冬に向かうよう・・・

Oct. 8

今日はRobinson教授が出張で不在のためmeetingは休み。
普段通りにlab.に行くが,みんな休んでいるよう・・・?
仕事を終え,先日知り合った田岡先生(放射線科へ留学している奈良医大の先生)の家族と阿久津先生の家族と一緒にわが家で焼き肉パーティを開く。

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焼肉用の肉がないので固まりを買ってきて阿久津先生の奥さんに薄くスライスしてもらう。大勢で食べるとことさらおいしい!

Oct. 9

金曜日のmeetingがなかったことと来週からr-TMSの施行が始まる(土日も含めて10日間連続で患者さんに施行する)ため本日やっとdriver licenseを取得に行く。
学科試験は無事合格して,いざroad testという段階で,frontのnumber plateがついていないので,road testはできないといわれてしまった。
WAL*MARTでネジを買って,自分でnumber plateを付けて再試験をさせてもらいに行く。
教官によってはなかなか合格させてくれないと聞いていたが,運良く合格。
これでpassportを毎日持ち歩かなくても済みそうだ!

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自宅の周りの紅葉。

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ここ数日枯れ葉が目立つ。冬がすぐそこに来ている感じ・・・


Oct. 14

異国の地で迎える誕生日。というわけで今日は豪勢に阿久津先生と田岡先生と昼にSushi-popoに行き,ちらし寿司を食べる。Iowaではここと青石というJapanese Restaurantがある。どちらもまずまずの味。

Oct. 15

meetingでのpresentationはちょっと足踏み状態だが無事終了。
今日はYamada Lab.の面々や日本人総勢9名で映画鑑賞会。
 Harrison Ford 主演の「Random Hearts 」を見る。
Love story だが今ひとつ盛り上がりに欠けていた・・・(個人的意見)
映画観賞後みんなでDawn TownのItalian Restaurantで食事をする。
Iowaではめずらしく洒落たお店。

Oct. 30

小児外科の木村健教授宅に米津先生ご夫妻と一緒に招待され,健先生手作りのお寿司をご馳走になる。
木村健先生はIowaに来て13年になるとのことだが,ご自分の名前のついた術式が5つもあり,世界から評価され,各国から手術の依頼のある著名な先生・・でもとても気さくな先生。
Iowa在住の日本人のために新鮮な魚介類を仕入れてくれている。
ご自宅は50年前に作られたものらしいが,内装はとてもきれいで,ご自分で設計された,ジャルジーのついたお風呂も見せてもらった・・・
毎日入浴しようと思っていたらしいが,忙しくて1年に数回しか使わないらしい。
衛星放送でNHKが一日中受信でき,奥様は日本のドラマや歌番組も堪能しているとのこと。きれいなペルシャ猫とヒマラヤ猫(?)を飼われている。

 

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はっぴ姿の木村健先生

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プロ顔負けの腕前です!

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米津先生ご夫妻と一緒に招かれました。

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愛ネコを抱く木村健先生


はっぴ姿でしゃりを入れる桶まで本格的。あっという間に寿司をにぎられる。
New Yorkで知り合った,日本人のお寿司屋さん(築地の末広で修行したヒトらしい)と意気投合しそのヒトが自宅に遊びに来たとき,握り方を教えてもらったらしく,本当においしいお寿司だった。
ご実家が造り酒屋だったらしく,お酒については一家言持っていて,「日本酒は冷やではなく必ず燗で飲まなくてはいけない,今の日本の風潮はおかしい」とのこと。
日本酒は燗で飲むように作られていて,冷やで飲むのは邪道らしい・・・(葉田先生どうですか???)
その他,日本の医療制度の問題などいろいろと厳しいお話を聞くことができた・・・
いろいろなエッセイを書かれているらしく,今度読んでみたい!

アメリカ医療は現在EBM (Evidence Based Medicine: 事実立脚型医療)に大きく転換しているとのことである。
「不必要な投薬,検査,入院などはいっさいしない」という状況になり,実際内科系疾患のほとんどが在宅医療になってきているらしい。
これは患者にとっての利益ばかりでなく,もちろん総医療費の節減にもなるわけである。
ひるがえって,日本はいまだに不必要な検査,投薬,入院がまかり通っている。
しかし,日本も必ずEBMに基づく医療に変わっていくだろうと・・・
この話を聞いて,日本では特に精神科医療が他科に比べて立ち遅れているような気がしてならなかった。
「Evidenceに基づく合理的な医療の追求」(人間性を忘れてはいけないが)は,避けることのできない現実であり,日本でも今後大きな課題になるだろう・・・

 

1999年9月のアイオワ

Sep. 3

9月になり午前8:45からのmeetingになる。今回は指示のあったdataをまとめて提出。
Robinson教授が期待していた結果を出せたので,細かい背景のdataを整理することになる。午後からは隣のLibraryで関連文献のコピーをする。
ところで,来週の月曜日はLabor Dayで明日から3連休!!!
阿久津先生にFly Fishingを教えてもらうことになり,釣りのlicenseと道具一式を買ってしまった。

Sep. 4

今日,阿久津先生と息子さんの渉君と朝6時から,Fly Fishingに出かける。
自然のなかでとてもすがすがしい・・・3人でかなりの成果を上げる。
2匹だけ持ち帰り,阿久津邸でバーベキューにする。
久しぶりに「ますの塩焼き」を食べ,Happyな1日を過ごす。
良い気分転換になった・・・

 

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阿久津先生と渉君(9歳)。朝6時に家を出て,Iowa cityから約65miles北にあるManchesterという田舎に来る。森の中で,後ろはtrout(ます)の養殖場

 

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思っていたより川幅は狭いが,透き通った清流。troutが川のなかにたくさん見えるが,Fly(疑似餌)だとなかなか釣れない。

 

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朝早く着いたので,ヒトはまばら。この後アメリカ人も何人も来るが,他のヒトは全然釣れないのに,我々は阿久津先生originalのFlyでかなりの成果を上げる。

Sep. 7

今日からResearch Seminar(月曜日12:45-2:00pm)とGrand Rounds(火曜日11:00am-12:30pm)が始まる。
今日のGrand Roundsは「Late Life Psychotic Depression」というタイトルで,Judith H.W. Crossett女史(Professor of Clinical Psychiatry)の講演でRobinson教授の司会で行われる。
Ziffren Auditoriumという階段教室に100人余りの聴衆がいて,途中実際に患者さんを呼んでRobinson教授が診察する場面もある。
治療に関する最新の情報や実際の治療計画や問題点について説明があり,フロアーからも積極的な意見や質問が飛ぶ・・・

Sep. 10

定例の朝のmeeting。
今日は自分の考えとRobinson教授の考えが一致しているか確認するために,検討している内容についてBrief Summaryを手渡す。
毎週新しいことをpresentationするというのはなかなか大変で,次に何をするかいつも考えていなければならない・・・
また,来週から実際のr-TMSの実施を手伝うことになった。

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研究室から帰ってくると,自分のアパートの隣上に引っ越してきた米津先生 (東京歯科大学の先生)からpartyの招待を受ける。 山田Labの米村先生の知り合いで, 奥様が英語が達者で何人かの日本人の女性に英語を教えているとのこと。 久しぶりにおいしい日本食をごちそうになる。身近に日本人の知り合いができて心強い。


Sep. 11

今日は朝の7時から阿久津先生一家がChicagoへ行くというので,便乗していく。
IowaからChicagoまで車で約4時間。最初にDowntownの中華街で食事をして,高層ビル街とミシガン湖を見てくる。ミシガン湖はとても美しく海のように広い湖。
その後ヤオハンに寄って納豆とか刺身とかいろいろ買い込んできてしまった。
下田先生がChicagoによく行ったと聞いたが,その気持ちがよくわかった。

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高層ビル街

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Lake Michigan

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ヤオハン。かわら屋根がなにかmismatch

Sep. 14

今日のGrand Roundsは「Cognitive Neuropsychiatry with a Focus on Atypicals」で
Michael Schwartz, M.D. (Case Western Reserve University)の講演。
ClozapineやOlanzapineなどSDAのそれぞれの特徴についての話もある。
最先端の研究をしているヒトの講演を聴けるというのはとても勉強になる。
午後,Robinson教授の指示で,The division of child psychiatryのKuperman教授に会う。
ADHDの生理学的研究やBegleiter教授とAlcoholismの共同研究をしていることは知っていたので,Begleiter教授が日本に来たとき会ったことや葉田先生が2年間派遣に行っていたことなどを話すと,世界は狭いと驚かれる。EEG Analysis SystemとReference Guideとともに患者dataを渡され,「このGuideを良く読んで,softを使えるようになって欲しい」と穏やかな笑顔で言われる。
Stroke PatientのPET ProjectでEEGも取っているらしく,そのEEG Analysisを私がすることになった・・・

Sep. 17

定例のmeeting。今まとめているdataのFigureとTableを作ったのでそれを見てもらう。
Robinson教授はこれで論文にできると言うが,次は実際に論文を書き始める作業。
何から始めていいのか・・・とにかくまず文献を熟読することにする。
仕事を終え,阿久津先生に手伝ってもらい来客用のソファーベットを購入する。

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ソファーベッドが計3つになってしまった。家族や友達が来ても十分泊まれそう・・・!?

Sep. 13

今日のResearch Seminarは「Instructional Technology Training Support」で聴衆は20人足らず。Information Techniqueとかの話で,いまひとつわからなかった。
山田教授は先週からプラハの学会に出かけていないため,研究室にこもってdataの整理と文献を読んだりして1日が終えてしまった・・・

Sep. 20

今日のResearch Seminarは「Expression of Neurotrophins & Neurorecepter in Neocortex: Evidence for Local Trophic Support Circuits」(Andrew Pitts, M.D.)
説明略(ということはよくわからなかったので・・・?)
また,今週からほぼ連日Lecture Series が始まる。
ちなみに今週だけscheduleを載せると,
Monday:Ethics Lecture 11:45-12:45
Tuesday:Dementia 8-9am, Perspective in Psychiatry 9:30-10:30am
Wed.:Psychodynamic Psychotherapy 8-9:30am, Generic Model of Psychotherapy 12-1pm
Thurs.:Chairman's Rounds 10:30-12pm
Friday:Pharmacologic Management of Organic Agitation 11:45-1pm
resident に対する指導が中心だが,誰でも参加できるようなのでできるだけ参加したい。


Sep. 21

今日のGrand Roundsは「Schizophrenia: Can interventions in the school-age child prevent onset of this disorder?」Randy Ross, M.D. (University of Colorado)
学童期に発症するSz.の話で,親がSz.の場合その子供の81%がなんらかの精神障害のDiag.がつけられ,約40%がADHDであるが,そのなかにもSz.が含まれている可能性や,それらとSz.との鑑別-SPEM(Smooth Pursuit Eye Movement)で有意差が出るらしい。臨床的特徴や早期の治療法とか・・・興味深い講演だった。
午後Toddと一緒にDr. Kupermanに会い,EEG analysisの使い方を教えてもらう。
Dr. Kuperman自身が使い方を忘れてしまっていて,Technicianに聞きながら教えてくれたが,1~2時間では無理ということで,来週再度教えてくれることになる。

Sep. 24

定例のmeeting。今日はpresentationするdataがなかったので,EEG analysis soft の使い方を勉強しているとか,関連文献を読んでいると話したら,Robinson教授が私の作ったFigureを拡大してスライド用に作り直している。
それを見せながら,さらに検討する内容を指示してくれる。
Toddも私のために新しいdataをinputしてくれている。
いつのまにかいろいろとsupportされている自分に気づく・・・ありがたい!

Sep. 27

今日のResearch Seminarは「Neurodevelopmental Disorders after Prenatal Famine」
Ezra Susser, M.D., Dr. P.H.(Colombia University)
数年にわたる大規模なCohort method を用いたepidemiological study

Sep. 28

今日のGrand Roundsは「Prenatal Exposures in Schizophrenia」講演内容は昨日のつづき。
午後から改めてDr.KupermanにEEG analysisのsetupをしてもらう。
そのanalysisのために,いつのまにかwindows98のnew machineが用意されている。
私専用に使ってよいとのこと。来週また業者が使い方を教えに来てくれるらしい。
Robinson教授の指示ですべてが進んでいるようだが,きちんと解析ができるのか不安になってしまった。


1999年8月のアイオワ

Aug. 1

本日,2週間生活をともにした村田君がホテルに移る。
広い部屋に一人きりになり急に寂しくなってしまった・・・
自分なりに部屋の模様替えをする。

Aug.2

午前中に村田君をpick upして,研究室に行き秘書のSherry Flanagan女史に挨拶し,
おみやげを渡す。穏やかな中年女性。
その後,Robinson教授の主催で,村田君の送別と私の歓迎を兼ねてレストランで研究室のメンバーと昼食をともにする。
みんなはラフな服装だが,Robinson教授はスーツにネクタイできめている。
本当に紳士で,とても丁寧で穏やかな話し方は日本であったときと変わらない・・・
昼食後Sergioが気さくに話しかけてきてくれホッとする・・・

Aug. 3

午後1時Robinson教授との面談。村田君がこれまでのお礼を言いたいので別々に話しましょうということで,村田君の後に面談となる。Robinson教授がいつものように穏やかなので,思ったほど緊張せずに話すことができる。
前の日から言いたいことは考えていたので,今自分がやりたいことは話してみる。
Robinson教授は,データは豊富にあるので,やろうと思えば論文もたくさん書けると激励してくれる・・・
何とか面談が終わり一安心。その後6時から英会話教室に行く,Aprillとかいう若い女性の先生を紹介してもらう。
突然TOEFLの試験を受けてみて下さいと言われとまどうが,はじめてだったので要領もわからず疲れ果ててしまった。
初日から3時間以上も英語の試験を受けるとは思わず,先が思いやられめげてしまった・・・・


Aug. 4

午前中村田君を空港まで送る。
約二十日間,必要と思われるほとんどのことを一緒にやってもらい本当に感謝している。もし一人だったらと思うとぞっとする・・・
午後,山田ラボに行くと山田教授がresidentの講義をするので聞かないかと誘ってくれる。臨床脳波や誘発電位の有用性を実例を挙げながらわかりやすい英語(私にもわかるような)で話してくれる。講義の最中もresidentから積極的な質問が飛ぶ・・・


Aug. 5

朝からToddがコンピューターのsetupからJMPの使い方やstrokeのdataなどを説明してくれる。
わかるまで何回も教えてくれ,本当に親切なおじさんである・・・明日のmeetingに備えてdata整理をする。
午後5時から山田ラボに行きr-TMSのEEG dataの解析の仕方を教わる・・・


Aug. 6


1pmから初めてのmeeting。Robinson教授も吊りバンドでノーネクタイややラフな感じ。順番に一人一人状況説明をしていく。「left cortical strokeでhypomanicを呈した興味深いcaseが入院したので,PETその他の検査をしてもいいか」などRobinson教授に許可をもらっている。
最後に私に何かあるかと聞くので初めてのミーティングなので特にはないと言うと,自分のやってみたいことを話しなさいという。
先日の面談のときに話したことをもう一度話すと,それではこれとこれをやりなさいとすぐに指示が出る・・・

 

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模様替えした自宅の様子・・・日本から持ってきたprinterが壊れてしまい,EPSONのprinterを買ってしまった。meetingの様子など載せたいが写真を撮る余裕はない・・・

Aug. 13


2回目のmeeting。この1週間でまとめたデータを見せる。
Robinson教授は喜んでくれたが,もう一人のresearch fellowが同様の検討をしたいと主張する。
Robinson教授は私の研究についてもう一度相談したいと月曜日にまた相談することになった。
どうなるのだろう・・・?
今週は山田教授も休みのため,昼食はずっと一人で取っている。ほとんど会話らしい会話をしていない・・・5pm過ぎに山田ラボに行き,EEG Dataの解析をする。
毎日ずっとコンピュータの前に座って少しバテ気味・・・ちょっとペースダウンが必要か・・・?


Aug. 16


今日1pmからRobinson教授と面談。いつものようにゆっくりした語り口でこちらにもわかるように話してくれる。
遠藤教授からもよろしくとの手紙がきていると教えてくれ,結局,やりたいことは何でもやっていいという。
また,今始めているprojectのいくつかを君にやってもらいたいと,ノートにわかりやすくいくつかのテーマを書いてくれる。一安心だが急に仕事が増えてしまった・・・


Aug. 17


午後6時からKAPLAN(英会話教室)に行く,はじめにビデオを見ておかなければいけなかったらしく,結局テキストのさわりを読んだりして終わる。
これからは予習をしていかないと何もわかりそうもない・・・疲れた。


Aug. 18

data整理の後,KAPLANへ行く。週2日のパターン。"Dead poets society"という映画を2時間見て(一人で)その後その内容について話し合う。TEXTはあるもののなかなか難しい。


Aug. 20

日本は猛暑と豪雨で大変だと聞いたが,こちらはいたって穏やかで涼しい気候。
ときどき運動を兼ねてマウンテンバイクで通勤している。ほんとうにすがすがしい・・・

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自宅から研究室までの道のりは緑にあふれている。あちこちでリスが飛び跳ねている・・・

今日は3回目のmeeting。Robinson教授から提案されたresearchのうち1つの結果を見せるが,期待していたような結果が出なかったため再度異なった角度から検討することになった。
Robinson教授の頭の中にはすでにいくつもの仮説が描かれており,我々がいかにそれを実証するかということで,その過程で自分なりのアイデアが出てくるのかもしれない・・・

Aug. 24

Long distance service をJapan Telecom Americaに申し込んだが,US Westにsafety depositを払わないと繋げてもらえないことがわかる・・・・やっと繋がったのでHome pageを更新する。みんなに忘れられてしまったかもしれない・・・
ところで,今日はMail BoxにRobinson教授からの封筒が入っていて驚いた!
なかには今検討中のresearchに示唆を与えてくれる新しい論文が入っている。
本当にありがたい。熟読して今度のmeetingに生かしたい。
KAPLANの英語の先生も思ったより優しいお姉さんで少し安心した・・・

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Iowa City /Coralville AreaのMap です。中心がUniversity of Iowa ですが,Iowa Cityのかなりの部分が大学の敷地だそうです・・・下田先生なつかしいでしょう!

Aug. 27

4回目のmeeting。dataを2群に分類することで,Robinson教授の期待していた結果を出すことができた。
Robinson教授もこれなら論文にできるかもしれないと喜んでくれた。
次の指示がでたが,なかなか理解できず,廊下まで付いていき,結局ノートに内容を書いてもらう。
内容はわかっているつもりだが,細かくなると英語が聞き取れない。これからが大変だ・・・!?

Aug. 28

阿久津先生と堀切先生(山田ラボ)を自宅に招待し,天ぷらパーティを開く。
そこらへんのレストランよりもず~とおいしい天ぷらができ万々歳。
村田君が残してくれた極上の赤ワインを飲み,Happyな一日を過ごす・・・
ところでアメリカは9月から夏休み気分も抜け,みな厳しくなるのだろうか・・・!?

1999年7月のアイオワ

居住アパート

 

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煉瓦造りの古い建物だが,内装はとてもきれい。しばらく村田君と二人の生活だが,2LDKでリビングだけでも20畳ぐらいある。 1階が駐車場で倉庫も付いている。ひとりでは広すぎる感じ・・・ 彼の得意料理をごちそうになった(スパゲティーに缶詰のトマトとツナを入れた簡単料理)まずまずの味。

 

My Car

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自動車の購入は,下田先生から中古は当たりはずれがあると言われていたので, 新車にしようと思ったが,カローラシビックが新車で15,000ドル以上することがわかった。 結局,95年式のVolkswagenの黒のJETTAをすべて込みで12,000ドルで購入。 サンルーフ(いらないが)などフル装備で,なかなか快調に走ってくれる。 タイヤも新品なのが気に入った・・・

July19

post officeの2Fにあるsocial security administrationで social security cardの申請をするが,その時不運にも村田君の車がぶつけられてしまった。警察に事故証明書を書いてもらう。完全に止まっていたので相手に100%責任があると思うが,彼は2年間で初めての事故。日本に帰る直前で,ちょっとめげてしまったが,相手がきちんとした人だったのと,けががなかったので不幸中の幸いと考えることにした。
その後,HONDA, MAZDAなどの自動車会社を回り,上記のJETTAを購入する。
その日のうちに自動車保険にも加入(JAL family clubで,日本語で契約完了)。
また,村田君も乗っているというので,マウンテンバイクも買ってしまった。

 

July 20

二人で highway を走り,Tanger factory outlet center に行く。
Geoffrey Beene (下田先生の好みらしい)やCoach,Brooks brothers などを見て回る。

July 21

高橋さん(免疫学専攻の大学院生で岸,下田,村田といろいろとお世話になった)と
阿久津先生(visual behavior の研究をしている)を紹介してもらい,
一緒にメキシコ料理を食べる。

July 22

朝から研究室に行き,ID CARD の申請などするが,Robinson教授も秘書のSherry Flanagan もvacationで不在。図書館で文献検索とコピーの仕方を教わる。
試しにアパートから研究室まで徒歩で往復してみたが,あまりに蒸し暑く(華氏で100度(摂氏はF-32×5/9=37.8℃)前後になるらしい)汗びっしょりになってしまった・・・昼食は病院の中のカフェテリアでサンドイッチを食べる。野菜がいっぱいでまずまずの味。
 

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University of Iowa Hospitals and Clinicsの全景

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村田君専用の部屋。ここが私の部屋になるのか!?

     
July 26

今日は朝から村田君とLabに行き,そこの秘書のKate に挨拶した後,統計などを中心に行っている Todd と会う。割りと気さくで優しげなおじさん。これから一番お世話になるかもしれない・・・
その後,Neurology の山田徹先生のところに挨拶に行く。小柄でとても温厚そうな先生。現在,山口大学の米村先生,関西医大の安田先生(二人とも整形外科),日大の堀切先生(小児科)がresearch fellowできている。今日は彼らと7階のカフェテリアで食事をする。そこへ小児外科の木村健先生が加わる。日本人も何人か知り合いになり一安心。

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山田Labの面々と阿久津先生

July 28

今日は午前中,appointmentをとっておいたInternational Education & Servicesに行き,
research fellow でアメリカに来たことを報告に行く。IAP66を見せ書類一式に記入する。留学中アメリカから海外に出て再入国するときは,事前にここに連絡し,IAP66にサインをしてもらうらしい。
また,本日村田君のカムリをトヨタに売却する。ほぼ思い通りの値段で売れたよう・・・
午後には,自分の英語力を少しでも上達させるため,KAPLANにprivate tutoringの申し込みに行く。火曜か水曜の6時から1時間のレッスンを受けることになる。


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山田Labのバーベキューパーティー。右端が山田先生の息子さんでその隣が娘さん。

 

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市の公園にバーベキューセットがついている。池に面していてかもがいっぱいいる。

 

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山田先生を慕っていろいろな人が集まる。

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左から関西医大からの交換留学生。山田教授。後ろに村田君。私。山田Labの安田先生の奥さん。

July 29

今日は午前中研究室に行き,梗塞の左右差による詳細な臨床データを比較するためのデータをToddにコピーしてもらう。
午後6時から山田Labのバーベキューパーティーに参加。華氏100度近くある中でのバーベキューでみんな汗だくだく・・・日が落ちていくらか涼しくなる。山田先生はアメリカにはすでに30年在住しているらしい。
名古屋大学の太田教授と同級生とのこと。部長先生からの推薦状も渡してあったので,
r-TMS前後の脳波解析の比較をしたいと話すと,ぜひやってほしいと言われる。
来週から山田Labにもときどき顔を出すことになった・・・