Mahito Kimura's Blog

アイオワ大学留学日記

1999年10月のアイオワ

Kent park

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紅葉がはじまったケント公園

 

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10月に入り急に朝晩の冷え込みが厳しくなってきた。 周りの人たちもコートを着込む人が多くなっている。 秋はあっという間に過ぎて冬に向かうよう・・・

Oct. 8

今日はRobinson教授が出張で不在のためmeetingは休み。
普段通りにlab.に行くが,みんな休んでいるよう・・・?
仕事を終え,先日知り合った田岡先生(放射線科へ留学している奈良医大の先生)の家族と阿久津先生の家族と一緒にわが家で焼き肉パーティを開く。

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焼肉用の肉がないので固まりを買ってきて阿久津先生の奥さんに薄くスライスしてもらう。大勢で食べるとことさらおいしい!

Oct. 9

金曜日のmeetingがなかったことと来週からr-TMSの施行が始まる(土日も含めて10日間連続で患者さんに施行する)ため本日やっとdriver licenseを取得に行く。
学科試験は無事合格して,いざroad testという段階で,frontのnumber plateがついていないので,road testはできないといわれてしまった。
WAL*MARTでネジを買って,自分でnumber plateを付けて再試験をさせてもらいに行く。
教官によってはなかなか合格させてくれないと聞いていたが,運良く合格。
これでpassportを毎日持ち歩かなくても済みそうだ!

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自宅の周りの紅葉。

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ここ数日枯れ葉が目立つ。冬がすぐそこに来ている感じ・・・


Oct. 14

異国の地で迎える誕生日。というわけで今日は豪勢に阿久津先生と田岡先生と昼にSushi-popoに行き,ちらし寿司を食べる。Iowaではここと青石というJapanese Restaurantがある。どちらもまずまずの味。

Oct. 15

meetingでのpresentationはちょっと足踏み状態だが無事終了。
今日はYamada Lab.の面々や日本人総勢9名で映画鑑賞会。
 Harrison Ford 主演の「Random Hearts 」を見る。
Love story だが今ひとつ盛り上がりに欠けていた・・・(個人的意見)
映画観賞後みんなでDawn TownのItalian Restaurantで食事をする。
Iowaではめずらしく洒落たお店。

Oct. 30

小児外科の木村健教授宅に米津先生ご夫妻と一緒に招待され,健先生手作りのお寿司をご馳走になる。
木村健先生はIowaに来て13年になるとのことだが,ご自分の名前のついた術式が5つもあり,世界から評価され,各国から手術の依頼のある著名な先生・・でもとても気さくな先生。
Iowa在住の日本人のために新鮮な魚介類を仕入れてくれている。
ご自宅は50年前に作られたものらしいが,内装はとてもきれいで,ご自分で設計された,ジャルジーのついたお風呂も見せてもらった・・・
毎日入浴しようと思っていたらしいが,忙しくて1年に数回しか使わないらしい。
衛星放送でNHKが一日中受信でき,奥様は日本のドラマや歌番組も堪能しているとのこと。きれいなペルシャ猫とヒマラヤ猫(?)を飼われている。

 

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はっぴ姿の木村健先生

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プロ顔負けの腕前です!

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米津先生ご夫妻と一緒に招かれました。

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愛ネコを抱く木村健先生


はっぴ姿でしゃりを入れる桶まで本格的。あっという間に寿司をにぎられる。
New Yorkで知り合った,日本人のお寿司屋さん(築地の末広で修行したヒトらしい)と意気投合しそのヒトが自宅に遊びに来たとき,握り方を教えてもらったらしく,本当においしいお寿司だった。
ご実家が造り酒屋だったらしく,お酒については一家言持っていて,「日本酒は冷やではなく必ず燗で飲まなくてはいけない,今の日本の風潮はおかしい」とのこと。
日本酒は燗で飲むように作られていて,冷やで飲むのは邪道らしい・・・(葉田先生どうですか???)
その他,日本の医療制度の問題などいろいろと厳しいお話を聞くことができた・・・
いろいろなエッセイを書かれているらしく,今度読んでみたい!

アメリカ医療は現在EBM (Evidence Based Medicine: 事実立脚型医療)に大きく転換しているとのことである。
「不必要な投薬,検査,入院などはいっさいしない」という状況になり,実際内科系疾患のほとんどが在宅医療になってきているらしい。
これは患者にとっての利益ばかりでなく,もちろん総医療費の節減にもなるわけである。
ひるがえって,日本はいまだに不必要な検査,投薬,入院がまかり通っている。
しかし,日本も必ずEBMに基づく医療に変わっていくだろうと・・・
この話を聞いて,日本では特に精神科医療が他科に比べて立ち遅れているような気がしてならなかった。
「Evidenceに基づく合理的な医療の追求」(人間性を忘れてはいけないが)は,避けることのできない現実であり,日本でも今後大きな課題になるだろう・・・